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「雷とは?」の一覧

夏雷と地上の風

上空から見た雷・スプライト・ブルージェット・エルブス
雷は空から地上へ落ちるもの?
私たちは地上で生活しているので、雷は、上空の雲の中で発生し、時に、地上に激しい稲光とともに、落雷するものと考えています。雷の観察は見上げるだけです。
雷を見下ろす
もし、軍用のジェット機や人工衛星から雷雲を見たら、どうなのでしょうか。
実は、雷雲の上空で放電現象が起こっていることが、かなり昔から知られています。
ただ、あまりに上空であり、通常の雷ほど頻繁ではないため、研究は近年になってやっと始まったばかりです。

落雷の型(2)
落雷の型
落雷には4つの型があるといわれている。
1.雲の側から負(−)のリーダが地上に向かう型
2.地上から正(+)のリーダが雲に向かう型
3.雲から正(+)のリーダが下降する型
4.地上から負(−)のリーダが上昇する型

雷はどうしてできるの?(4)
対流説(ボンネガット提唱)
雷雲内部の上昇気流と雷雲周辺の下降気流が、同一の電荷を集積し、雷雲の電荷の分離をうむという考え。
この説は、その後の研究結果、測定結果と一致しないため、雷の発生についての説明としては、完全に退けられた。

雷はどうしてできるの?(3)
(1)気温が−10度以上のとき、また−10度以下でも雲水量が多いとき
雲の中にある、あられの表面は水の薄い膜で覆われている。
このとき氷晶があられに衝突すると、水の一部は氷晶にくっつき、氷晶は(−)に帯電する。水を失ったあられの方は逆に(+)に帯電することになる。

落雷の型(1)
落雷の仕組み
落雷というと、素人目には、雲から雷の電流が地面(対象物)に一気に流れる、ただそれだけのように思える。
しかし、実際の落雷はそれほど単純ではない。

雷鳴
雷鳴の発生
雷雲の中で放電が起こると、雷光が発せられる。
距離が近ければ、「ごろごろ」という雷特有の音が聞こえる。
放電によって、空間が1000分の1秒のような短時間で、瞬間的に熱せられるので、
空気が膨張し、圧力の変動が衝撃音となって聞こえるのが、雷鳴である。
放電の際の電気は数万アンペアにもなるので、放電の経路となった部分の空気は1万度にもなるといわれている。

雷はどうしてできるの?(2)
雷はなぜできる?:
中谷宇吉郎というと、大変有名な物理学者である。寺田寅彦の弟子でもある。
この先生が温度の異なる氷の粒がぶつかり合うと、一方が+に、もう一方がマイナスになることを発見しておられる。
この氷の粒が激しくこすれあい、割れたり、結合したりして電荷を大きくすると、雷になるということだ。
中谷先生は「災害は忘れたころにやってくる」という有名な言葉を最初に言われた方である
。
迷信のように「節分には卵を立てることができる」と言われてきたのを実験によって、
卵が立つのは特別なことではなく、いつでもできることを証明したりした。
卵を立てた状態でそうっと抑えていると、比重の重い黄身の部分が、徐々に下がってきて重心が低くなる。
さらに卵の表面は多少のでこぼこがあるので、うまく位置があうと、立てることができるということを証明した。
実験物理の第一人者である。

シンプソンとウイルソンの大論争:1928年
なぜ、大空に電気が溜まるのか、どうして雷のようなエネルギーになるのか
フランクリンが雷は電気であることを証明した後も、この「なぜ」に対する答えは、なぞは長いことだれも説明することはできなかった。
1920年代に雷の研究が熱心に進められ、活発な意見が交わされた。その中で、特に有名なのが、1928年グラスゴー大学で行われた雷研究の発表におけるシンプソンとウイルソンの論争である。
シンプソンはイギリスの気象台長
ウイルソンはノーベル物理学受賞者
当時の最高レベルの学者の論争は多くの研究者を巻き込んだ雷の歴史的大論争となった。
しかも、この二人の学説は雷の発生について、まったく正反対だったので、なおさらである。

雷のいろいろ
入道雲:地方での呼び名
雷は発達した積乱雲(入道雲)によって起こる。この入道雲は雷の多い地方によっては、別名で呼ばれることがある。
坂東太郎
信濃太郎
丹波太郎
など、なぜか、「太郎」が共通している。「太郎」は急流の川の名前にもつくので、男の子の暴れ者のイメージがあるのかも知れない。

変わった雷(核爆発雷)
核爆発雷:
変わった発生原因による雷の極めつけは核爆発による雷である。
広島の原爆では、多くの死傷者が出たが、あの原爆によって、「黒い雨」が降ったことはよく知られている。
井伏鱒二が小説に残しているので、読まれたかたもいるだろう。
原爆による黒い雨を浴びたために人生を狂わせられてしまった女性と、それを暖かく見守る叔父夫婦とのふれあいを描いている。映画化もされた。(写真は広島の原爆)

雷はどうしてできるの?(1)
積乱雲の発生
海や地面の水分を含んだ空気が温められると、軽くなり、どんどん空高く上がっていきます。ところが上空は、地面よりも温度が低いため、空気は冷やされ、水分は徐々に水滴になり、雲になります。たくさん水蒸気を含んだ空気がどんどん上空に上がっていくと、空気の流れは激しくなり、雲はどんどん発達します。結果として、乱気流が発生することになります。

変わった雷(火事雷)
火事雷:
山火事、関東大震災、空襲による火災で起きる雷(大規模な火災でも雷は発生する)
大火事が起こると、上昇気流が発生し、対流雲が生成する。その中で稲光が発生することがある。これが火事雷である。

変わった雷(火山雷)
雷は気象現象だけではない:
通常の気象現象とは言いがたいことが原因で発生する雷もある。火事や熱で発生する上昇気流が雷雲の発生原因で発生する雷である。
火山の噴火による火山雷、山火事などの火災による火事雷、原爆などの核爆発による核爆発雷などがある。

稲光 いなびかり:なぜ稲の字?
雷光になぜ稲の文字?
雷雲が発生すると、雲の中で、稲光が発生し、雲がピカッと光ることがある。
稲光とは、雷の放電による電光のことをいい、稲妻ともいう。
「稲」という文字が使われるのは、雷の電光が稲を実らせると考えられていたという説がある。
日照りの続く夏の夕方、稲光とともに降る夕立は、稲の実りをもたらすともいえます。
雷はさまざまな形で、民間信仰と結びつき、迷信や言い伝えに残っています。
枝分かれした雷光は金色に輝く実った稲穂に見えなくもありません。

雷三日
雷三日:ことわざ
夏の雷は三日続くというもの。北日本を通過する低気圧にともない、上空に寒気が入り込むと、大気の状態が不安定になる。
このようなときの悪天候は数日つづくことが多い。
そして、このとき、発生する雷は、寒気が、2、3日かけて通り過ぎるまで、収まらない。 つまり、雷三日ということになります。
