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素朴な疑問:雨はどのようにしてできるのか?

空気中に含まれる水分は温度によって変わる

やかんでお湯を沸かし、沸騰しているのに止めないでいると、どんどん蒸発して、やかんの中のお湯は少なくなります。
水が蒸発したからです。
蒸発?
水が蒸気になって、空気の中に溶け込んでしまったのです。
水が蒸発すれば、いくらでも空気の中に溶け込むことができるかというと、残念ながら、それほどたくさんではありません。
空気の温度が10度であれば、1立方メートルの空気の中に9.4gが限度です。
空気中に水蒸気として溶け込んだ水分を湿度といいます。10度の温度で、水分が9.4g含まれていれば、湿度100%ということです。

同じ湿度100%でも温度によって水分量は違う

面白いことに、空気の温度が変わると、溶け込める水蒸気の量が変わります。
10度のとき、9.4gが湿度100%の水分量だったのに、温度が20度になると、同じ100%で倍ちかい17.3gも溶け込むことができます。30度にもなると30.4gです。
9.4gでも100%、30.4gでも100%なのです。
温度によって、湿度100%でも、含まれている水分量は、ずいぶん違うものです。
このように温度によって湿度100%でも、実際の水の量が違うため、相対湿度といいます。

温度が低いと空気は保持できる水分は少ない

温度が違うと、同じ湿度でも、実際の水分量が違うということは、とても重要な点ですが、
とくに、温度が高いとたくさん含まれ、温度が低いと含まれる水分が少ないということが雨の仕組みを知る重要なポイントです。
湿度100%の空気の温度が下がると、同じ湿度100%でも保持できる水分の量は少なくないます。空気に溶け込めなくなった水蒸気は水滴になります。

上空での温度変化

水蒸気を含んだ空気の温度変化が、上空で起こると、雨や雪を降らせる原因になります。
ある湿度の空気が地上や海上で暖められ、上昇気流となって上空に上がると、
徐々に温度が下がります。
空気中に保持できなくなった水分は小さな水滴(温度が低ければ氷粒)となって浮遊した状態になります。
水滴になったからといってすぐに雨になって降るわけではありません。
小さな水滴は空中を漂うのです。霧と同じです。
水滴は周りの水蒸気を少しずつ取り込んで大きくなり、あるいはほかの水滴とぶつかって、割れたり、ドッキングして大きくなったりしながら、徐々に成長して大きくなります。
これが雨のもとの雲(水滴や氷の粒)です。

身近なところで確認

冬に部屋の温度が高く、外の温度が低くなると、窓ガラスの内側に水滴ができます。
室内の暖かい空気に含まれている水分が、窓ガラスで外の低い温度の空気に冷やされ、水蒸気を保持できなくなり、水滴となったのです。
これとまったく同じことが上空で起こったのが、雲や雨です。

乾いた空気と湿った空気

上空ほど温度が低い

エベレスト(チョモランマ)のような高い山は夏でも雪があります。それは、上空ほど気温が低いためです。
上空の空気は地上よりも温度が低いのです。
地上で温められた空気は上昇しますが、いきなり上空の低い温度の空気と同じ温度になるわけではありません。
暖かい空気は塊となって上昇しますので、周囲の温度とは関係なく、独自の温度変化をします。上空は気圧が低いので、上昇した空気は膨張して密度が低くなります。
ある程度周囲の温度の影響を受けないまま、膨張するので、これを「断熱膨張」といいます。

乾燥した空気が上昇した場合

断熱膨張によって、上昇空気の温度は下がります。
乾いた空気の場合、1000m上昇すると、薬10度下がります。暖かい空気はいつの間にか周囲の空気の温度よりも低くなってしまい、周囲の空気の密度、温度の関係で、それ以上上昇できなくなり、バランスします。
乾いた空気は上空で上昇がとまり、安定しますので、「大気が安定」した状態になります。

湿った空気が上昇した場合

湿った空気の場合、1000m上昇しても、2~3度ぐらいしか温度が下がりません。
そのため、空気の密度が低く、周囲の空気よりも、温度が高い状態のままにまり、さらに上昇を続けます。その結果、空気は2000m、3000mと上空に達し、発達した入道雲になります。
この上昇を続ける状態を大気が不安定といいます。
地上で水蒸気を多く含んだ空気ほど、上昇して大気を不安定にし、発達した積乱雲を発生させます。

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