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認知症の中心的症状

認知症は一つの病気の病名ではない

認知症というのは、記憶障害、見当識障害、思考障害などいくつかの症状の集まりに対する命名です。
つまり、このような症状を引き起こす原因となる病気はいろいろあるということです。

中心的な症状:中核症状

認知症には必ず現れる症状を中核症状といいます。
その中でも、脳の障害から直接的に現れる症状が中心です。

記憶障害

記憶障害は認知症の中心的な障害ですが、
記憶機能は複雑な機能で、認知症の記憶障害といっても、簡単に説明できるものではありません。
認知症には、記憶障害が必ずありますが、記憶障害があれば認知症ということではありません。

記憶の4プロセス

記憶は、中心的な部分を簡単に説明すると

  • 1.知識などの情報を取り込む「記銘」
  • 2.記銘した情報を留め置く「保持」
  • 3.保持している情報を取り出す「再生」
  • 4.取り出した情報が以前記銘した情報と同じであることを確認する「再認」

記憶:4つのプロセスのすべてがスムーズに機能すること

素人考えで記憶というと、覚えこんで、情報を取り込む部分に焦点が置かれます。保持まで含めることもあります。
しかし、実際には、この4つがスムーズに機能して初めて記憶機能が正常といえます。
どこか一箇所に障害があれば、その記憶は役に立ちません。
医学的には記銘の障害は「前向性健忘」、保持・再生の障害は「逆向性健忘」といいます。
認知症では、この記憶の連鎖の中に機能的な障害があるということになります。

記憶の時間軸による区分

  • 即時記憶
  • 1,2分程度の記憶で、買い物をして、おつりがいくらか確認する。終われば忘れてしまう。電話をかけるときの番号などもそうだ。

  • 近時記憶
  • 夕食に何を食べたか。数分から数日の記憶で、1週間も前の夕食になると、何を食べてかなかなか思い出せない。

  • 長期記憶
  • 長く覚えている記憶で、通常記憶というとこの長期記憶を指すかもしれません。

    認知症で現れる記憶障害

    認知症で最初に目だって現れる記憶障害は、近時記憶です。
    朝食を食べた後で、「朝食はまだか?」と聞く。
    さっき食べたばかりだといっても、その記憶がよみがえらない。
    実際には、即時記憶にも障害が現れていることが多い。
    しかし、不思議なことに、長期記憶は比較的保たれています。
    認知症を発症した後では、長期記憶にも障害が現れます。

    カテゴリ: 認知症について