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自然の食物の医薬的な価値と食事療法

医薬品と自然の食品・薬用植物

現代医学の治療で用いられる薬剤は、常にく同じ成分の、同質のものでなければ、医薬品として認可されません。
自然界で採れるものは、そこに有効成分、薬効成分が多量に含まれていても、成分が安定しないため、医薬品として認可されることはありません。
自然のものは、地域により、土地、天候により、常に成分に変化が生じます。
自然のもので、常に同じものを作り出すのは不向きです。
しかし、医薬品として認められるためには、「ばらつき」は受け入れられません。


自然の食品の医薬的価値

では、どうなるのか。
自然のものの中に、有効成分が見つけられると、その有効成分を抽出して分離し、医薬品にふさわしい一定の基準に加工するのです。
あるいは、同じ成分を化学的に合成します。
臨床試験を通して、投与する分量が決められます。
加工の過程で、すべての有効成分を取り出すことは不可能です。
よいと思われるものだけが抽出の対象になるのです。
自然界のものの全成分を認識し、評価できているわけではないのです。
加工の過程で質が微妙に変わることもあります。
自然界にあるものは、もちろん成分が安定しません。しかし、同時に、自然界にあるものは単独の成分だけでなく、そこに含まれる様々な成分の相互作用で効力が高められたり、生じたりするものが多くあるのです。
もちろん、自然界にあるもので、医薬的な価値があっても、そのままでは利用できないものもありますが、現在はその価値が不当に低く見られていると考えられます。


食事療法と自然の食物

自然の食物をとっていれば、人間は健康に生きられるかというと、残念ながら、そうは言えません。
いろいろな理由があります。
完全に自然な食物というのは、もはやどこにもありません。
「有機栽培」といっても、完全に化学薬品から逃れることはできないのが現状です。
北極海にまで深刻な化学薬品の汚染が進んでいます。
海流に乗って、海の生物の移動によって、大気の対流などの空気の移動によって、汚染はすでに地球全体に及んでいるのです。
アマゾンのジャングルも、エベレストの頂上も汚染から逃れることはできません。
福島原発の放射能汚染が、遠くアメリカ西海岸、さらに東海岸にまでおよび、アイスランドでも検出されたと報じられました。世界中に飛散したのです。
それは、田畑にまかれる農薬、化学肥料でも同じことです。世界中で使われているため、日本からどこまで飛散しているか調べることはできませんが、世界中で使われ、世界中が汚染されているのです。
食肉はすべて人の管理によって餌が与えられ、家畜が育てられています。
野菜類も同様です。
人が施した肥料によって育てられているのです。
自然の食物が一般の人の口に入ることは非常に例外的なことになってしまったのです。
1900年代の前半に、ゲルソンは、当時の野菜が、「本来の栄養価を持っていない」と嘆いています。
窒素とリンとカリという基本的な肥料を施していれば、確かに作物は育ちますが、野菜や果物が本来持っている栄養素を持っていないのです。
青森の完全無農薬、無肥料のリンゴ農家が大きな話題になっています。
恐るべきことです。
自然にできたリンゴは日本中を探しても、その農家1軒しか作っていないのです。
望んだとしても、食事療法が困難な時代なのです。
通常、手に入る食品は食事療法に適さないものばかりなのです。
ゲルソンの提唱する食事療法を何とか取り入れようとすると、大きな困難にぶつかります。
現実には、彼の真似事をしているのに過ぎないのではないかと感じるほどです。

カテゴリ: 医薬品と食品