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異物を認識する能力の不思議:自己と非自己

異物・異物と簡単に言うけれど、何が異物で、何が異物ではないのか

身体の中に外部から異物が侵入してくると、すぐさま、異物を撃退する免疫機能が働き、・・・・
教科書的には、実に簡単な話です。
しかし、実際にどのように異物を自分ではないと知るのか、大変不思議なことです。
体内にある抗体のバリエーションだけで数えきれないほどの型があるのに、それは自分で、その中に紛れ込んだ、たった一つの異質を見極めるとは、まさに神業ではありませんか。


自分を知ること・自分が自分でなくなること

驚くべきことに、免疫機能が異物を知ることができるのは、侵入者が「異物」・「他者」だからではないのです。
免疫の機能が、他者を見分けるのは、「自己と他者」のという比較で他者を見分けるのではないというのです。
「自己と他者」ではないなら、いったい、「他」とは、免疫システムにとって、どんなことなのでしょうか。
それは、「自己と非自己」の比較によって、「自己でないもの」・「他者」を識別しているのです。


「自己と他者」というのと「自己と非自己」で、いったい、何が違うというのか?

異物は最初マクロファージという捕食細胞に取り込まれます。
マクロファージは取り込んだ異物を細胞内の酵素で分解します。
この分解途中の異物の断片がマクロファージの表面に現れる現象があります。
マクロファージの表面には、もともとHLA抗原といわれる組織適合抗原が存在し、まさに「自己のしるし」となっています。
分解された異物の断片はこのHLAと結びついて、マクロファージの表面に現れるため、今までのHLAとは異なる「自己でないマクロファージ」の誕生となってしまうのです。
自己の特徴を失ったマクロファージは「非自己」と認識され、免疫の攻撃対象となるのです。
非自己となったマクロファージは、免疫システムの攻撃の対象となり、撃退され、破壊されてしまいます。
これが、異物を認識する機能、非自己を認識する免疫システムの認識機能です。

カテゴリ: 免疫の働き