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抗体発見:北里柴三郎

ジフテリア・破傷風の菌の純粋培養に成功

結核菌を発見したことで有名なドイツ人ロベルト・コッホのもとで研究するために、北里柴三郎は1880年代半ばに、ドイツに留学します。
彼はそこで、ベーリングという人と一緒にジフテリア菌・破傷風菌の純粋培養に成功します。

不思議な出来事:そして抗体の発見

ジフテリア・破傷風は人の体内で毒素を放出します。
この毒素が病気を引き起こしているわけです。
そこで、彼はこの毒素をすこしづつ、段階的に量を増やしながら、うさぎに注射してみたのです。
天然痘の治療に人痘が接種され、ジェンナーが牛痘を開発して、天然痘の予防、治療に成功したことが引き金となり、病原菌を接種するという考えが普通のことになってきたのです。
毒を接種されたうさぎの体内で、毒素を中和する不思議な働きをする物質が作られ始めたのです。
毒に対する抵抗力が生まれたわけです。
そこで、注射した毒素を中和するように体内で生成された物質を、北里は毒に対抗する物質ということで、「抗毒素」と呼ぶことにしたのです。
この抗毒素こそ、今日の免疫学を誕生させた、といってもよい歴史的な大発見、「抗体」の発見でした。
一緒に研究していたベーリングは、この発見によりノーベル賞を受賞しますが、北里が受賞することはありませんでした。
北里は抗体発見後、日本に帰国してしまい、当時、日本のような極東の貧しい国の研究者など、まともな評価を受けることができなかったのだといわれています。

カテゴリ: 抗原と抗体