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微生物学の台頭:微生物研究の機運の高まり

ジェンナーの功績と限界

ジェンナーの開発した種痘によって、多くの人を死に至らしめた恐るべき病気・天然痘の根絶に向けて人類は大きな一歩を踏み出しましたが、同時に、種痘を実施する医師でさえ、種痘・牛痘の接種によって、何が起きているのか、ということは、まったく分かっていませんでした。
種痘を実施したところ、「結果が良かった」というだけで、理由はジェンナーを含め、誰にもわかりませんでした。
それは、そもそも、天然痘がどのように発病するのかわかっていなかったのですから、仕方がありません。
ジェンナーが種痘を始めてから、100年たっても、まだ、ウイルスの存在は知られていなかったのです。

病気は微生物によって伝染するという考え

病気が、なんだかよくわからない「微小なもの」によって、ヒトからヒトへ伝染するという説を最初に提唱したのは、ベローナの医師ジェロラモ・フラカストロ(1546年)です。シェークスピアよりも、関ヶ原よりも前のことです。
その100年後には、アントン・ヴァン・レーフェンフックが顕微鏡を使って、何かの微生物を発見しました。
しかし、そのような発見や説明は人々に受け入れられることはありませんでした。
まだ、機が熟していなかったのです。
しかし、種痘の成功は、接種した天然痘や牛痘の膿に含まれているものについての興味を起こしました。
また、種痘によって、体内に何が起きているのか研究する機運が高まり、ついに微生物・病原菌の発見・微生物学の発展へと道が開かれるようになります。

カテゴリ: 免疫発見とその歴史