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人痘接種から牛痘接種へ:ジェンナーの功績

牛痘と天然痘の関係に注目したジェンナー

人痘接種に対して、牛痘に感染することで、天然痘への免疫を得ようとする試みが出始めますが、本格的に注目して研究をしたのが、ジェンナーでした。
彼は、人間の病気のいくつかは、家畜から人に移ったものと考えました。天然痘も、最初、馬から牛へ、そして牛から人へ感染したものを考えたのです。彼は、天然痘の免疫は牛痘接種でも可能に違いないと考えたのです。

牛痘接種の試み

ジェンナーは牛痘に罹った牛から膿を採取して集め、人痘接種と同じ方法で、少年に牛痘の膿を接種しました。
少年には、軽い発熱はありましたが、浮腫などは出なかったと記録されています。
7週間後、同じ少年に、今度は人痘を接種します。
少年には何の症状も出なかったと記録されています。
同様の実験を繰り返したのち、ジェンナーはその結果を論文として発表しました。
論文に対する反響はあまりぱっとしたものではありませんでした。ほとんど注目されなかったのです。

牛痘接種の効果と安全性が明らかに

論文の発表直後は大した反響もなく、注目も集めませんでしたが、ジェンナーの方法を採用する医師たちが徐々に増え始め、有名は医師たちが採用するようになり、さらに世界各国で、牛痘接種が採用され、牛痘接種の効果、安全性がまたたく間に明らかになっていきます。
英国議会が1802年に1万ポンドの賞金を授与したのを皮切りに、各国政府、研究機関から次々に勲章、称号を授与されます。

天然痘の根絶

ジェンナーの種痘が開発されて50年後には、英国では種痘が義務付けられるようにさえなりました。
今日では、天然痘ウイルスは地球上から完全に根絶されたとWHOにより宣言されています。
病気を完全に根絶したこの出来事は、人類史上、初のことであり、唯一のことです。
天然痘の根絶という快挙は、免疫の研究で歴史上、大きな一歩です。しかし、この一歩は最後の一歩ではなく、免疫研究の最初の一歩であることが、このあとすぐに明らかになります。
このことが「免疫研究の幕開け」となり、研究は一気に花開き、多くの発見が続くことになります。

カテゴリ: 免疫発見とその歴史