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人痘接種の成功:免疫と感染について漠然とした理解が生まれる

天然痘:いつかきっと罹る病気

17世紀のヨーロッパでは、天然痘は、死ぬまでには(天然痘で死ぬかもしれないが)きっと一度は罹る病気として、恐れられていました。
天然痘の死亡率は高く、患者の死亡率は1/4を超えるほどだったということです。
そして、天然痘で死ななくても、病気の後は、顔や身体に、はっきりとした無残な目立つ跡が残るため大変恐れられていました。
栄養状態が悪いときや、運悪く他の病気と重なったり、体力のないときに天然痘の罹ると、死亡する危険はもっと高かくなります。
そのため、自分の子供には、若いとき、元気なときに、天然痘に感染させてしまおうということさえ、行われていました。
それは、一度罹ると、もう二度と天然痘に罹ることがないということが、経験的に知られていたためでした。

人痘接種の試み

このような時代背景のなかで、民間療法として、人痘接種が行われるようになります。
最初、中国で、天然痘患者の「かさぶた」を乾燥させ、服用させることが予防法として起こります。
ギリシャ・トルコでこの方法が改良、発展して、天然痘の膿を健康な人の腕に接種する人痘接種が行われるようになります。
膿を採って、健康な人の腕を傷つけ、そこにすり込むというやり方です。

人痘接種の効果

多くの場合、この人痘接種は効果的で、接種により、天然痘の初期症状は示すものの 症状は穏やかで、回復し、その後、天然痘に対する抵抗力を持つようになりました。
技術的な問題もあり、100%の人がその後天然痘に罹らなかったというわけではないようです。
また、人痘接種により、重い症状になって命を落としたということもありました。
ただ、何もしない場合と比べると、効果は歴然としており、有効性を疑うことはできませんでした。

歴史的な快挙:病気をコントロールした人痘接種

この人痘接種は、人類が病気を予防、病気をコントロールした歴史的な出来事です。今日、種痘は「ジェンナー」が発明し、広めたものとして有名です。
しかし、たった一人の天才が、何もないところから、種痘を発明したのではなく、名も知れぬ人たちの知恵が作り出した人痘接種という方法をジェンナーが改良し、発展させて広めたのだということを知っておくのもよいことです。

発見された二つの重要な事実に注目

人痘接種が効果を上げるなかで、発見、確認された次の二つの事実は、その後の医学の発展・研究の重要な土台となります。

  1. 病気は一度罹ると、同じ病気に二度罹らない
  2. 病気は、膿のような、ある物質を通して、別の人に伝染する

カテゴリ: 免疫発見とその歴史