Home > アレルギー > アレルギー患者の増加の不思議

アレルギー患者の増加の不思議

なぜアレルギーになる人が増えるのでしょうか

アメリカでは、食物アレルギーを持つ人の300万人もいるといわれています。
これは、18年前の数字と比較すると、なんと18%増という驚くべき増加率です。
ところが、これはアメリカだけの話でなく、日本でも同様の傾向があります。
おそらく、世界的な傾向なのだと思われます。
アレルギー体質の原因ともいうべき、IgE抗体が、検査の結果、陽性になった人の数が、関東地方の20代の青年を対象に調査した結果70%を上回る率だったということです。
驚くべきことに、4人中3人がアレルギー体質ということになります。 40年前の調査と比較すると、約300%増になるとのことです。

アレルギー増加の原因:衛生仮説

なぜ、アレルギーが増加したのか、その原因は、残念ながら解明されていないのです。
そのため、いろいろな推測、仮説があります。
衛生状態が良くなったのが、アレルギー増加の原因であるとするのが、衛生仮説です。
1989年に英国人ストラカンが提唱した考え方です。
無菌状態で育ったのが原因で、いわゆる免疫がないというのです。
アレルギーの問題ではなく、普段の生活でも、刺激的なことに弱い人を指して、これこれのことに「免疫がない」とからかうことがあります。
まさに衛生仮説から来た表現です。
菌やアレルゲンとの接触が有効なのは、1歳から6歳ぐらいまでの幼児期に限られるようです。
幼い時のアレルゲンとの接触が、免疫を作り、その後、同じアレルゲンに接触したときの耐力になるようです。
しかし、この仮説は、ある特殊な面では、成り立つとこもありますが、アレルギー患者の増加を衛生仮説だけで説明し尽くすことはできないというのが一般的な意見です。

不衛生はアレルギーを引き起こす

ダニアレルギーなどは、衛生的に、よく掃除することで、かなり解決します。
不衛生の方がダニアレルギーに強くなるということはありません。
スギ花粉症の患者数が地方よりも東京など都会に多いことも衛生仮説の根拠とされています。
都会よりも、牛や馬に囲まれて育った方がアレルギーになりにくいというのです。
しかし、これは、あまりに現実離れした説明です。
現在の日本のどこに牛や馬に囲まれて生活しているような地方があるでしょうか。
もちろん、地方には酪農家もいますが、それは酪農に携わるほんの一部の人にすぎません。
また、地方が都会よりも衛生的でないという考えも、地方をあまりにも知らない人の言葉です。
おそらく地方は、都会よりも衛生的です。
都市部は、一見、衛生的に見えますが、それは表の顔にすぎません。
一歩、裏へ踏み込んでみると、地方には存在しないような種類の汚染が充満しています。
排気ガスはどうでしょうか。
工場廃棄物はどうでしょうか。
都心のいろいろな店舗から、排出されるごみの山は、不衛生そのものです。

地方と都会:食べ物の違いが大きい

地方と都会のもっとも大きな違いは、むしろ、地方の「地産地消」に対し、都会はそれができていないことにあるのではないかと思われます。
地方では露地物の野菜や果物は完全に熟した、もっともよい時期のものを食べることができます。
しかし、都会にたいしては、出荷後の痛みを考えて、熟し切らないものを収穫して、出荷する傾向にあります。
都会に出荷するためには、農薬で虫がつかないように十分管理したものを出荷しますが、地方では、それほど気を使わない、もっと自然に近いものが売られています。
地元のスーパーが地元のものを売っているのです。
食べ物の違いは大きな要素です。

また、都会は環境汚染が地方より進んでいます。衛生仮説でいうなら、都会こそ非衛生的な生活環境です。

アレルギーだけを見ては原因をつかめない

現代になって急増した病気を現代病と言いますが、過去にはなかったいろいろな病気が人々を苦しめています。
私たちの生活の仕方が、20世紀になって大きく変わりました。

睡眠時間の減少

一日や二日のことでしたら、特別なことではありませんが、現代人は、おそらく、生涯をとおして寝不足でしょう。このことは身体に何か悪いことはないのでしょうか。

食生活の変化

一時、狂牛病がおおきな話題になりました。
牛の餌に牛の肉骨粉が使われているなどということは、多くの人にとって驚きでした。
天然ものの魚と養殖の魚では、栄養価がまったく違うといいます。
青魚に含まれていて、高血圧や様々な現代病に有効といわれているEPAやDHAなどのオメガ3という必須脂肪酸は、養殖の魚にはほとんど含まれていないといわれています。
養殖の魚は、餌として与えられたものでできています。
養殖の魚の肉には、餌として与えた栄養、限られた(人工的な?)栄養しか含まれていないということです。
魚は天然ものがありますが、牛や豚、鳥の肉はすべて養殖です。
天然の牛肉というのは、現代では考えられません。
放牧のものがわずかにありますが、完全に天然の餌に頼るものは皆無です。

野菜はどうでしょうか

地方の旅館にでも泊まれば、山菜や野草を食べる機会もあるでしょうが、日頃口にするものは、畑で、人口肥料と農薬散布を繰り返した野菜です。
農家は、自分で食べるものと、出荷するものを別に作るというほど、「危険」の認識を持っています。
本屋に行くと、完全無農薬でリンゴを作った話題になった方の本が並んでいます。
「15万部も売れた」と書かれていました。
何年も失敗を重ねてやっと「無農薬」のリンゴを完成させた努力には頭が下がります。
つまることろは、無農薬のリンゴはその人しか作れないということなのです。
私たちが食べるものに含まれる食品添加物は1年でおよそ4kgにもなると試算されています。
コンビニで食べるおにぎりの中にも、スーパーで購入するおそらくすべてのものに添加物が使われています。
食肉も色を奇麗に見せるために、添加物が使われています。
刺身を買えば、色を保つための添加物ばかりか、刺身の下に敷かれているシートには殺菌のための薬品が塗られているのが現状です。
工場の排水に含まれる化学物質による大規模な病気が問題になり、「汚染」が大きな問題になったときがあります。
「癌」がそにょうな環境の変化によっても起きていることは明らかです。
アレルギーが増えたのは、よく観察してみると当たり前のように見えるのです。
社会全体が化学薬品のお風呂にどっぷりとつかったような状態です。
私たちの身体は、ある程度の汚染や変化に対応できる余力を持っているようですが、日々、汚染にさらされていれば、どこか弱点が悲鳴をあげてもおかしくありません。
不眠症やアレルギーは私たちの身体や社会全体が、このまま進めば、「致命的な崩壊」をすることの警鐘のように思われるのです。

カテゴリ: アレルギー