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疑似抗原:「そっくりさん」の悲劇

侵入者が私たちと同じ部品をもっていたとき

免疫が外来からの侵入者を異物として認識するのは、私たち自身とは異なるたんぱく質の断片を見つけるからにほかなりません。
しかし、微妙でやっかいな問題がことがあります。
ウイルスのたんぱく質の構造の一部が、もし私たち自身のたんぱく質と同じだったとき、免疫応答の過程で、自分のたんぱく質を攻撃する抗体や自分自身を攻撃するT細胞を免疫系が作ってしまう危険があります。


リウマチ性心疾患

リウマチ性心疾患は、連鎖球菌に感染して治った後に、発症することが知られています。
それは、私たち自身の心臓のたんぱく質に対する抗体が産生され、免疫系が自分の心臓に対して攻撃をしてしまうこと原因となります。
この心臓のたんぱく質に対する抗体は、連鎖球菌のたんぱく質が抗原であることが確認されました。 連鎖球菌のたんぱく質を攻撃すべく作り出された抗体が、「そっくりさん」である心臓のたんぱく質を攻撃してしまうのです。
これはたいへん厄介な問題で、連鎖球菌がなくなっても、心臓のたんぱく質があるかぎり、攻撃の手を緩めることがないのです。
自分自身を外来の侵入者として攻撃する抗体に、それは間違いだと教えるすべはないのです。
リウマチ性心疾患はまさにこの例であるといわれています。

カテゴリ: 免疫の働き