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免疫の持つ危うさ

免疫はどうして病原菌を識別できるのか

免疫系が正常に機能するとき、私たちは病原菌から守られて健康でいることができます。
免疫が働いて、病原菌を破壊し、撃退してくれるので、私たちは健康を保っていることができるのです。
しかし、それでは免疫は破壊対象の病原菌をどのようにして病原菌と知ることができるのでしょうか。
実は免疫は、身体に侵入してきたものが病原菌だと知っているわけではありません。
免疫には侵入してきたものが病原菌か、そうでないか識別するような能力はないのです。
テレビの水戸黄門のように善悪がはっきりしているものなど、世の中にそうあるわけではありません。
そんな難しい判断を免疫系に求めることには無理があります。


免疫は自分だけを知っている

自己を自己として認識するのが免疫の基本です。
体内を循環する血液の中にある免疫細胞は出会うものが、自分と同じしるしを持っていれば、それは侵入者ではなく自分自身の一部、自己であるとして見過ごします。
しかし、自分と違うしるしを見つけると、自己ではない、非自己、侵入者として、攻撃し、破壊してしまいます。
自己というしるし以外は何も見ていない、ある意味で、免疫の働きの特徴の一つは盲目的であるということです。
もちろん、免疫系は体内に侵入してきた病原菌が有害なものであるか無害なものであるか、識別したり、判断したりすることはありません。
侵入してきたものが、自分自身由来のものであれば、見過ごしますが、自分でない、いわゆる非自己であれば、有害であろうと、無害であろうと、これを完全に除去するまで、徹底的に攻撃し、完全に排除するまで、攻撃の手を緩めることはないのです。
微生物が細胞の中に住み着き隠れていれば、(もちろんその微生物を感知できれば)細胞もろとも破壊してしまいます。
微生物のみならず、破壊が激しすぎて微生物が住み着いている細胞、自分自身をも破壊することになっても、非自己の存在を認める限り、攻撃と破壊をやめることはできません。
「免疫系は徹底的で、盲目的」なのです。
非自己という目印だけで牙をむくのです。


免疫系のもつ危険性

免疫の非自己排除の機能には、2つの危険が内在しています。
第一に、非自己がある限り攻撃の手を緩めることができないこと
第二に、自己であるかのように羊の皮を被った非自己を攻撃しないこと
手に負えないような病気は、何らかの形でこの免疫系の弱点に絡んでいるのです。

カテゴリ: 免疫の働き