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偶然が作り出す抗体の多様性:エピトープとパラトープ

偶然性が免疫の多様性を作り出す

抗体分子は固有の構造をもち、イディオタイプと呼ばれますが、これは抗体を構成する遺伝子のパーツの組み合わせの変化などで作り出されます。
その意味で免疫システムを神なきシステムと呼ぶ人たちがいます。
それは、免疫システムの完全さを「外部から侵入してくる新たな外的である抗原を撃退するための綿密に計画されたシステムに違いない」と考えていた人々にとって、組み合わせの偶然性が作り出す多様性という、あまりに呆気にとられるようなものだったからです。
「組み合わせの変化」による多様性とはあまりに「偶然」に支配されたシステムに見えるからです。

イディオタイプとイディオトープ

抗体は独自の立体構造を持っている

60億人というほど多くの人間が地球上で生活しています。
みな、人類ですから、大きく違うわけではありませんが、それぞれ違いがあり、同じといえる人はいません。一卵性の双生児でさえ、よく見れば違いがわかります。
人間にとっては、その微妙な違いは重要で、その違いによって、個人を識別することができます。
抗体も大きな意味では型があり、分類されていますが、立体構造には微妙な違いがあり、独自の構造を持っています。
千差万別の新たな病原菌・ウイルスの侵入に対して対応するためには、抗体のバラエティは極めて重要な機能なのです。

鋳型説と選択説

抗体が生み出す多様性の謎

抗原分子が体内に侵入すると、どうしてその抗原に対応する抗体が作り出されるのか。
この謎を理論的に解き明かそうと多くの研究者たちが立ち向かいました。
どんな抗原にも、対応する抗体を作り出す免疫系の柔軟さの秘密はどこにあるのか。
私たちをはじめとする動物の体内では、どうしてそんな不思議なことができるのか。

イェルネのネットワーク説:抗体はすでに準備されている

人間一人の中には、約2兆個もの抗体分子があるといわれており、もし、それを取り出して重さを計るなら、およそ1kgにもなるということです。
それは、なんと脳細胞よりも多いというのです。

抗体の多様性・抗体は5種類に分類される

抗体がどんな外敵(抗原)にも対応して作り出されることは、たいへん不思議なことで、多くの研究者がその謎を解き明かそうと努力しました。
イェルネの提唱したネットワーク説や鋳型説など議論を戦わしたのは、ほとんど無限という多様性が私たちの常識を超えたものだからでした。