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「自己と非自己」の一覧

全身性エリテマトーデス

自己免疫疾患はなぜか女性に多い

全身性エリテマトーデス/シーグレン症候群、慢性関節リウマチ、重症筋無力症のような自己免疫疾患は、なぜか女性の発症率が男性に比べて高い。
全身性エリテマドーデスでは、男よりも女のほうが10倍近い。
10代から中年期になることが多い。

重症筋無力症

筋肉が動かなくなる病気

重症筋無力症は筋肉が極度に衰弱してしまう難病です。
症状は、最初まぶたや首、顔の筋肉が垂れ下がるようになることです。
上から始まり、徐々に全身に及びます。
眼球を動かす動眼神経が麻痺して、左右の眼の動きに違いが生じ、右目と左目で見ているものが違うようになってしまします。
複視といってものが2つに見えるようになります。
2つに見えるというと「2重に見える」というように感じますが、症状が進んでくると、そんな生易しいものではすみません。
前から一台自動車が走ってくると、一方の眼でとらえている一台はまっすぐ自分に向かって走ってくるように見えますが、もう一方の眼で見ている自動車は横の方からこちらに向かってくるように見え、まさに目の前で衝突するかのような錯覚に陥ります。

自己免疫疾患はなぜか女性に多い

自己免疫疾患と男女比

全身性エリテマトーデス/シーグレン症候群/慢性関節リウマチ/重症筋無力症のような自己免疫疾患はなぜか女性の発症率が男性に比べて高い。

自分に対する免疫反応

免疫が自分自身を攻撃する

他のサルの脳細胞を免疫されたサルが、自分自身の神経細胞に対して免疫反応らしい反応をおこし、脳炎に似た症状を示すことが1930年代に報告されました。
ワイトブスキーとノエル・ローズは、この報告をもとに、ウサギのチクログロブリン通分をウサギに免疫する実験を行いました。
通常、免疫系はチクログロブリンを外来異物とは認識しない物質です。
しかし、甲状腺から取り出したチクログロブリンを精製して、別のウサギに戻したとき、正常な甲状腺が傷害を受け、甲状腺炎を発症し、チクログロブリンに対する抗体も産生したことが確認されました。
確かに、自分自身を攻撃する抗体があるという事実を確認したのです。

疑似抗原:「そっくりさん」の悲劇

侵入者が私たちと同じ部品をもっていたとき

免疫が外来からの侵入者を異物として認識するのは、私たち自身とは異なるたんぱく質の断片を見つけるからにほかなりません。
しかし、微妙でやっかいな問題がことがあります。
ウイルスのたんぱく質の構造の一部が、もし私たち自身のたんぱく質と同じだったとき、免疫応答の過程で、自分のたんぱく質を攻撃する抗体や自分自身を攻撃するT細胞を免疫系が作ってしまう危険があります。

自己の確認と自己が自己でくなるとき

自己の確認

生まれたばかりの赤ちゃんの血液には抗体が存在するが、驚くべきことにその多くは自己を抗原とする抗体であるということです。
自己を抗原とするということは、生まれたばかりの赤ちゃんの場合、B細胞もT細胞も自分自身を攻撃しているらしいのです。
抗体が自分を抗原として、自分自身を攻撃するということは、通常の成人では自己免疫疾患として、重大な病気になってしまいます。
ところが、生まれたばかりの赤ちゃんの場合には、この攻撃は不思議なことにまったく無害であるというのです。
そして、生後間もなくすると、この免疫系の自己攻撃は終わってしまいます。

免疫の持つ危うさ

免疫はどうして病原菌を識別できるのか

免疫系が正常に機能するとき、私たちは病原菌から守られて健康でいることができます。
免疫が働いて、病原菌を破壊し、撃退してくれるので、私たちは健康を保っていることができるのです。
しかし、それでは免疫は破壊対象の病原菌をどのようにして病原菌と知ることができるのでしょうか。
実は免疫は、身体に侵入してきたものが病原菌だと知っているわけではありません。
免疫には侵入してきたものが病原菌か、そうでないか識別するような能力はないのです。
テレビの水戸黄門のように善悪がはっきりしているものなど、世の中にそうあるわけではありません。
そんな難しい判断を免疫系に求めることには無理があります。

異物を認識する能力の不思議:自己と非自己

異物・異物と簡単に言うけれど、何が異物で、何が異物ではないのか

身体の中に外部から異物が侵入してくると、すぐさま、異物を撃退する免疫機能が働き、・・・・
教科書的には、実に簡単な話です。
しかし、実際にどのように異物を自分ではないと知るのか、大変不思議なことです。
体内にある抗体のバリエーションだけで数えきれないほどの型があるのに、それは自分で、その中に紛れ込んだ、たった一つの異質を見極めるとは、まさに神業ではありませんか。