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AIDSと日和見感染

日和見感染

日和見感染とは、すでに、私たちの体内に存在する細菌によって起こる感染です。
過去に感染した菌が完全に除去されないで、細胞内などに身を潜めているような菌で起こります。
本来、免疫系は異物を徹底的に探し出して排除するものですが、
実際の身体の中では、このような探索から上手に身を隠している細菌も少なくありません。
病原菌を完全には殺しきれない状態なのです。
それらの菌は単にじっとしているというよりも、繰り返し増殖するのですがが、
増えた分はすぐに免疫系に排除されてしまうため、わずかな量が存在し続けるというのがおそらく正しいのだと思われます。
そのため、ひとたび免疫系が機能を失うと、
身を潜めていた菌の増殖分を排除できないため、大きな問題となってしまいます。
本来は発病しない病気が現れてくるのです。
これが日和見感染です。


日和見感染が起きるケース

日和見感染は臓器移植で免疫を抑制しているときに大きな問題となります。
移植された臓器を生着させるために、拒絶反応を抑えますが、
外部からの異物を拒絶し、排除する免疫の機能を抑制することを意味します。
また、がん治療で放射線や薬により、免疫が十分に機能しない場合にも同じことになります。
他人の臓器を拒絶する反応と、外部からの異物や病原菌を拒絶し、排除する機能は同じ免疫の働きなのです。
免疫を抑制するために、日和見細菌の増殖が起きるのです。


AIDSの日和見感染

AIDSの場合も、日和見感染は、特徴的な症状ですが、これは免疫系の機能が失われつつあるしるしなのです。
日和見感染が起きるとき、一つの感染症に効果がある薬剤を投与し、ある程度症状が緩和することができたとしても、免疫系が機能しないために起こる日和見感染症は一つではありません。
一つを抑えても、次の日和見感染症が発症してしまうのです
。 そのため、現れた症状に対して普通の投薬をしたのでは、根本的な解決には、ほど遠い結果しか得られません。
AIDSがヒト免疫不全症候群といわれるのは、免疫不全が引き金となり、いろいろな日和見感染症が次々に現れてくることなのです。
次々に起こる感染症がAIDS患者を苦しめ続けることになります。
そればかりか、免疫不全は体内に存在する菌だけでなく、体外に存在する菌にも患者が無抵抗であることを意味します。
AIDS患者は対抗手段を失ったまま、体の内も外も病原菌が充満する中に放り出されたような状況になってしまうのです。

カテゴリ: 免疫の働き