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がん細胞:コントロール不能に陥った細胞

細胞はつねに入れ替わる

私たちは生まれてから、長ければ100年以上の長い人生を送ります。
若いときのはつらつとした、はじけるような生命力は高齢になると徐々に消えてしまい、
行動さえものろのろと活力のないものになってしまいます。
しかし、若いときの自分と高齢になった自分は、別の人間ではなく、変わることのない同じ一人の人間です。
けっして、別人ではありません。
しかし、細胞レベルでみると、なかなか不思議なことが起こっているのです。
人間の体は約60兆個の細胞でできているといわれますが、そのうち100億個が毎日作られているのです。
すなわち作られただけ細胞は死んで後退していくのですから、毎日100億個の細胞が死んでいることになります。
もちろん単純に新旧交代しているわけではありませんが。
若いときの私を形造っていた細胞と高齢になったときの私を形造っている細胞は別物です。
若いときの細胞はすべて、もうすでに死ん、存在しないのです。


がん細胞は不死化する

正常な細胞は増殖や死が生理的にコントロールされています。
それに対してがん化した細胞は、コントロールを逸脱した細胞で、無制限な増殖能を獲得しています。
がん化した細胞は周囲の正常な組織を破壊しながら増殖をつづけ、やがてがんの腫瘍を形成することになります。
がん細胞は悪性度を増すと、周囲の組織に浸潤し、さらに遠方にある臓器にまで転移して数を増やしていきます。
異常な分化状態・不死化することも多いのががん細胞です。


がん化の過程

がんがどのようにしてできるのかということについて、細胞レベルでの多くの研究がなされ、現在は、がんは遺伝子に何らかの異常・異変が原因となっていることが突き止められました。
有機化学薬品などがDNAの二本鎖に損傷を与えても、通常はDNA損傷チェックポイント機構、DNA修復機構によって損傷は修復されます。
しかし、繰り返し起こる損傷に対し、常に100%正確に修復が起こるわけではありません。
そして修復のミスが起きた遺伝子とその細胞の多くは細胞死によって取り除かれます。
しかしがん化は、その中に異変が起きた細胞が取り除かれることなく、生理的なコントロールを失った状態で増殖を始めたときに起こるのです。

カテゴリ: がん