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他人のがんを自分に注射した人

がんは抗体で治る病気ではない

1808年10月17日、パリのセントルイス病院で、J.L.アリベールという医師は、乳がんの患者から採取した腫瘍をどろどろにつぶして、これを自分に注射してみました。
パスツールが牛痘を発見し、接種して、抗体が体内にできた結果、天然痘が完全に地上から撲滅されたことはよく知られています。
研究者は驚くべきことをします。弟子にも同じように注射しました。
果たして、結果はどうだったのでしょうか。


がんは人から人へうつらない

すりつぶしたがんを注射した結果、激しい熱と炎症が数日続きました。しかし、それ以外には、なにも起こりませんでした。
それで終わりでした。
がんの抗体はできませんでした。また、がんがうつることもありませんでした。
がんはウイルスで人から人へうつるような種類の病気ではないのです。
その後、.アリベールは同じことを数人の同僚にも行いましたが、やはり、熱と炎症が起こるだけでした。
熱と炎症が起こりますが、それが治まると、それ以上は何事もありませんでした。
がんはどんどん増殖する厄介な病気ですが、移植や治療は、簡単にはできないのです。
また、人から人へうつるような病気ではありません。
それは、免疫反応によって、がんなどの外部からの異物は速やかに撃退、排除たされてしまうためです。


がんをがんの治療に使うことができるか

1950年代になって、シカゴのE.ウエイスはがん組織から抽出した液体をがん患者数人に週1回、6週間にわたって注射しました。
しかし、このときも、それ以上のことは何も起きませんでした。
がんは外から入ってくる病気ではなく、極めて重要なことですが、内側から起こる病気なのです。
生活習慣病といわれる理由がここにあります。
パスツール以来の発想による治療が行き詰ってしまう理由がここにあります。

カテゴリ: がん