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細胞の生と死とがん細胞

一つの受精卵から60兆個の細胞へ

私たちの身体は最初たった一つの受精卵から始まります。
その受精卵は細胞分裂を繰り返しながら、やがて60兆個もの数の細胞にまで増殖します。


3つの不思議

  1. この細胞は母親にとって、外部からの異物ですが、免疫系によって排除されることなく、母体に保護され、誕生までの期間増殖を繰り返しながら成長します。

  2. たった一つの細胞が60兆個の細胞に分裂、増殖、成長するとき、単に数が増えるのではなく、不思議なコントロールによって頭、手足、内臓、皮膚、人間らしい身体に作り上げられていきます。
    いろいろなことが研究され、発見される中で、受精卵からつくられる胚性幹細胞(ES細胞)は全ての種類の細胞に分化する事ができる(全能性)であることがわかり、ある意味で謎が解けたようにおもられますが、どのようにしてすべての細胞になるのかその機構はまったく解明されていません。

  3. 一つの細胞が分裂して、できたすべての細胞が身体を形成するわけではありません。
    できの悪い細胞、がんのように害になる細胞も作られます。
    しかし、不思議な死のプログラムが細胞に組み込まれていて、そのような細胞は死滅します。アポトーシス、あるいはプログラム細胞死と呼ばれます。
    Tリンパ球は作り出されたもののうち95%は胸腺の中で死滅するというから驚きです。
    結果的に、人間では、毎日100億個以上の細胞が死滅しているということです。すなわち毎日100億以上の細胞が作り出されているということでもあります。


  4. がん細胞の特殊性

    1. がん細胞は、外部から侵入してきた異物ではありません。
      私自身の細胞なのです。
      そのため免疫系が攻撃して排除しにくい存在なのです。

    2. 正常な細胞は、私たち自身の身体のコントロール下にあって、ただしく細胞分裂して産生し、身体の一部を構成しますが、がん細胞はどこにも属さない異常な細胞です。悪性新生物などと呼ばれるのはそのためです。

    3. 死が組み込まれていない細胞で、いつまでも、そして急速に細胞分裂して増殖します。
      がん細胞にはアポトーシスのきれいな死滅機構がないのです。

    4. カテゴリ: がん