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「がん」の一覧

がんとの闘い:国家的な取り組みも結果を出せない

死亡原因の1位は、今も、がん・癌

1981年(昭和56年)以来日本人の死亡原因の1位はがん・癌です。
現在では2人に一人ががんになり、3人に一人はがんで亡くなっているのです。
驚くべきことです。がんはそれほど蔓延しているのです。

他人のがんを自分に注射した人

がんは抗体で治る病気ではない

1808年10月17日、パリのセントルイス病院で、J.L.アリベールという医師は、乳がんの患者から採取した腫瘍をどろどろにつぶして、これを自分に注射してみました。
パスツールが牛痘を発見し、接種して、抗体が体内にできた結果、天然痘が完全に地上から撲滅されたことはよく知られています。
研究者は驚くべきことをします。弟子にも同じように注射しました。
果たして、結果はどうだったのでしょうか。

がんの発生と成長そして化学療法について

がん細胞の成長は遅い

多くの人はがん細胞の成長はとても速いと感じていますが、がん細胞の成長速度はほかの正常な細胞と比べて極端に遅いのです。
がん化した一つの細胞が成長して分裂・増殖し、直径1cmの大きさになるには30回の細胞分裂が必要ということです。
この30回の細胞分裂に要する時間はだいたい10年から15年かかります。
この成長速度と胎児が1個の受精卵に始まって10か月で3kgから4kgに成長し、誕生を迎えることを比較してみると、成長速度の違いは明らかです。

がん:古くからあるが、まさにがんは現代病である

がんは古くからある

がんは非常に古くからあり、エジプトのミイラにもがんが発見されています。
がん(cancer)という名前はギリシャ人に由来します。
がんの組織が蟹(cancer)を連想させたため、この名前が付けられたといわれています。
今日、がんは悪性の新生物(腫瘍)のことを指しますが、
これは、1967年Willisによって、「周辺の組織と協調することなく、無関係にしかも増殖刺激なしに成長を続ける集塊」と定義されました。

恒常性維持とがん細胞

細胞の誕生と死

私たちの身体はおよそ60兆個の細胞から成り立っています。
しかし、その60兆個の細胞は人の一生の間、同じ細胞がずっと存在しているのではありません。
新しく細胞が作られ、古い細胞は順次死んで代謝され、置き換えられていくのです。
毎日100億の細胞が新しく作り出されるというから驚きです。
もちろん、新しく作られた細胞がすべて古い細胞と入れ替わるわけではありません。
新しく作られた細胞の多くが最初から不適格として排除されてしまいます。
わずかな細胞が新しく身体の一部を構成することになるのです。
細胞が新しく作られ、古い細胞が取り除かれていくということは、生体が安定して存在していくうえで非常に重要なことです。
このようにして保たれている安定を恒常性といいます。

細胞の生と死とがん細胞

一つの受精卵から60兆個の細胞へ

私たちの身体は最初たった一つの受精卵から始まります。
その受精卵は細胞分裂を繰り返しながら、やがて60兆個もの数の細胞にまで増殖します。


3つの不思議

  1. この細胞は母親にとって、外部からの異物ですが、免疫系によって排除されることなく、母体に保護され、誕生までの期間増殖を繰り返しながら成長します。

  2. たった一つの細胞が60兆個の細胞に分裂、増殖、成長するとき、単に数が増えるのではなく、不思議なコントロールによって頭、手足、内臓、皮膚、人間らしい身体に作り上げられていきます。
    いろいろなことが研究され、発見される中で、受精卵からつくられる胚性幹細胞(ES細胞)は全ての種類の細胞に分化する事ができる(全能性)であることがわかり、ある意味で謎が解けたようにおもられますが、どのようにしてすべての細胞になるのかその機構はまったく解明されていません。

がんの発見

がんは予測できない

今日の医学的な検査では「がんの発生」を予測することはできません。
がんになる前の段階を捉えることはできないのです。
いつも聞かされるのは、「がんが発見された」ということであり、「がんが再発した」ということなのです。
可能なのは、がんの早期発見であり、がんになって初めて「がんである」ことを知るのです。
そして早期発見というのは、がんの細胞レベルでの発見のことではなくて、がんが腫瘍化した段階になって初めて発見することができるのです。

がん細胞:コントロール不能に陥った細胞

がん細胞は不死化する

正常な細胞は増殖や死が生理的にコントロールされています。
それに対してがん化した細胞は、コントロールを逸脱した細胞で、無制限な増殖能を獲得しています。
がん化した細胞は周囲の正常な組織を破壊しながら増殖をつづけ、やがてがんの腫瘍を形成することになります。
がん細胞は悪性度を増すと、周囲の組織に浸潤し、さらに遠方にある臓器にまで転移して数を増やしていきます。
異常な分化状態・不死化することも多いのががん細胞です。

がんと化学物質:身体の汚染・環境の汚染

がんの原因の追究

J.Hillは、1761年、嗅ぎたばこの常用が腫瘍の発生に関係していることを発見し、報告しました。
次いで、1775年にはP.Pottが煙突掃除の少年たちに陰嚢がんが多発していることを突き止め、その因果関係を指摘しました。
これはがんの原因となるものを発見した最初の例と考えられています。
これらの研究により、がんは理由なく、自然にできるものではなく、何らかの原因があること、とくに環境因子が発がんに深い関係を持っていることが示されたため、化学発がん物質という考え方が定着するきっかけとなりました。