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「抗原と抗体の発見」の一覧

免疫がないとどうなってしまうのか

1952年に米国海軍のオグデン・ブルトンによって、報告された少年のケースは、それまでの医学の考え方を一変することになります。
この少年は幼いときから感染症を繰り返し、発熱、嘔吐、関節痛に悩まされ、どのような治療を行っても、一時的に回復するだけで、すぐにまた感染症で入院することが繰り返されました。症状は徐々に悪くなり、根本的な改善は望めませんでした。
幸い、ペニシリンやサルファ剤が症状を抑えるのに効果的で、一時的であっても、なんとか元気を取り戻すことができました。
ブルトンによる検査の結果、病気の原因となっているのは肺炎球菌がもっとも多いことがわかり、ブルトンは、肺炎球菌の死菌からワクチンを作り、少年に接種します。
ところが、驚くべきことに、何度ワクチンを接種しても、抗体ができる気配がないのです。

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エピトープとパラトープ

抗体分子は固有の構造をもち、イディオタイプと呼ばれますが、これは抗体を構成する遺伝子のパーツの組み合わせの変化などで作り出されます。
その意味で免疫システムを神なきシステムと呼ぶ人たちがいます。
それは、免疫システムの完全さを「外部から侵入してくる新たな外的である抗原を撃退するための綿密に計画されたシステムに違いない」と考えていた人々にとって、呆気にとられるようなものだったからです。
「組み合わせの変化」による多様性とはあまりに「偶然」に支配されたシステムに見えるからです。

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イディオタイプとイディオトープ

60億人というほど多くの人間が地球上で生活しています。
みな、人類ですから、大きく違うわけではありませんが、それぞれ違いがあり、同じといえる人はいません。一卵性の双生児でさえ、よく見れば違いがわかります。
抗体も大きな意味では型があり、分類されていますが、立体構造には微妙な違いがあり、独自の構造を持っています。人間にとっては、その微妙な違いは重要で、その違いによって、個人を識別することができます。

60億人というほど多くの人間が地球上で生活しています。
みな、人類ですから、大きく違うわけではありませんが、それぞれ違いがあり、同じといえる人はいません。一卵性の双生児でさえ、よく見れば違いがわかります。
抗体も大きな意味では型があり、分類されていますが、立体構造には微妙な違いがあり、独自の構造を持っています。

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鋳型説と選択説

抗原分子が体内に侵入すると、どうしてその抗原に対応する抗体が作り出されるのか。
この謎を理論的に解き明かそうと多くの研究者たちが立ち向かいました。
どんな抗原にも、対応する抗体を作り出す免疫系の柔軟さの秘密はどこにあるのか。
私たちをはじめとする動物の体内では、どうしてそんな不思議なことができるのか。

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抗体の多様性・5種類の抗体

抗体がどんな外的(抗原)にも対応して作り出されることは、たいへん不思議なことで、多くの研究者がその謎を解き明かそうと努力しました。
イェルネの提唱したネットワーク説や鋳型説など議論を戦わしたのは、ほとんど無限という多様性が私たちの常識を超えたものだからでした。

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抗体が大量に作られるまでのプロセス

p>血液中のリンパ球の20%~30%はB細胞です。
B細胞は骨髄(Bone)から作られるので、その頭文字がつけられています。
B細胞は、その細胞表面に、免疫グロブリン(免疫:Immunity、グロブリン:globulin)で、一般にIgの略号で知られている分子を持っています。
Igは受容体(レセプター)と呼ばれ、抗原と結びつくのがこのレセプターの部分です。

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異物と非自己

イェルネは、すべての非自己は自己との反応性を基礎としていると考える。
免疫系が外部からの侵入者を異物として認識できるのは、異物であるからではなく、内部にある自己(内部イメージ)との比較、対比によって自分でないものを「非自己」、「他」と判断するのだといいます。
比較する自己がなければ、非自己は存在しないということなのです。

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イェルネのネットワーク説:抗体は事前に準備されている

「ひとりの人間の中に存在する抗体分子は、ばらばらに存在するのではなく、お互いに反応しあいながら、ひとつのネットワークを形成している。」と提唱したのは、ノーベル生理学・医学賞を受賞した免疫学の孤高の理論家ニールス・カイ・イェルネ(Niels Kaj Jerne、1911年12月23日 - 1994年10月7日)である。
人間一人の中には、約2兆個もの抗体分子があるといわれており、もし、それを取り出して重さを計るなら、およそ1kgにもなるということです。
それは、なんと脳細胞よりも多いのです。
抗体が識別し、捕えることができる抗原の種類は数千万種にも及ぶと考えられているのも、なるほどとうなずけます。

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異物を認識する能力の不思議:自己と非自己

異物・異物と簡単に言うけれど、何が異物で、何が異物ではないのか

身体の中に外部から異物が侵入してくると、すぐさま、異物を撃退する免疫機能が働き、・・・・
教科書的には、実に簡単な話です。
しかし、実際にどのように異物を自分ではないと知るのか、大変不思議なことです。
体内にある抗体のバリエーションだけで数えきれないほどの型があるのに、それは自分で、その中に名切れ込んだ、たった一つの異質を見極めるとは、まさに神業ではありませんか。

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抗体の多様性:未知のどんな抗原の侵入に対応する柔軟性

抗体の多様性の秘密

身体に侵入してくる異物はどんなものか予測することはできません。
しかし、抗体は驚くべき多様性をもって、未知の侵入に対応しているのです。

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抗原・抗体反応:異物ってなに?・怪獣キメラのおはなし

昔から闇の世界では、ある生き物の身体に、別の生き物からとった身体の一部を移植するような実験が行われてきましたが、すべて失敗に終わりました。
それは、移植された他の動物の器官を免疫系が異物と判断し、拒絶してしまうからです。
拒絶反応として、よく知られている現象です。

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抗体の多様性:どんな抗原にもぴったりフィットした特注品の抗体作ります

抗体のすごいところ、不思議なところは、どんな未知の抗原が現れても、三日後には、その抗原専用の抗体が作り出されるのです。
どんな抗原が現れても、対応できるように、いろいろなパターンの遺伝子構造に対応できるように、型の準備ができているのです。

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北里柴三郎・ベーリング:抗毒素(抗体)の発見

医学界への衝撃:血液の中に毒を中和する物質ができる

ドイツのコッホのもとで研究をしていた北里とべーリングは、破傷風菌を少量、うさぎに注射する実験を行った。発病したり、致死量とならないように、破傷風菌は、少量ずつ、何回かに分けて注射しました。
その後、このウサギに通常であれば致死量に相当する量の破傷風菌を注射してみると、驚くべきことに、ウサギは死なないばかりか、発病することもなく、まさに元気なままで、ウサギには何事も起こりません。
そのときは、北里にも、ベーリングにもわからなかったのですが、ウサギの体内に、菌をすこしずつ注射したことで、破傷風菌に対する免疫ができていたからでした。

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抗体の働き

h3>抗体<.h3>

私たちの身体に、外から何らかの異物が入り込んできたとき、それを異物として認識して、撃退する身体の防御システムがあります。
「免疫」と呼んでいる機能です。
この免疫システムを支えている主役の一人が抗体と呼ばれる一種のたんぱく質です。

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病原菌論だけでは解決できない問題

病原菌と病気の関係がなかなか受け入れられなかった背景には、いろいろな問題がありますが、その一つに、病気の原因となる病原菌は、健康な動物や人の中にもあることがわかっていました。
なぜ、同じ病原菌があるのに、一方は病気になり、もう一方は病気にならないのか、そういうことには、なにも答えがありませんでした。

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抗体発見:北里柴三郎

ジフテリア・破傷風は人の体内で毒素を放出します。この毒素が病気を起こしているわけです。そこで、彼はこの毒素をすこしづつ、段階的に量を増やしながら、馬に注射してみたのです。
すると、馬の体内で、毒素を中和する不思議な働きをする物質が作られ始めたのです。この毒素を中和する物質を北里は抗毒素と呼ぶことにしました。
この抗毒素こそ、今日の免疫学を誕生させたといってもよい重大な発見「抗体」の発見でした。

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